第1回 「ブタペストの生活」

第1回の今回は私の滞在しているハンガリーの首都、ブダペストでの生活、そしてそれについて思う事柄を書いてみましょう。
私が初めてブダペストの地を踏んだのは1993年の秋、ハンガリーが激変していく丁度初めの時でした。
想像していた「東欧の古都・ブダペスト」のイメージが一気に崩れ去り、けたたましい騒音とネオンの山に愕然とした事を今も思い出します。そしてこのブダペストを自分の留学先に決め、本格的に住み始めたのが1994年の9月。この時からもう6年以上も経っているとは、どんどん変わりゆくこの街での生活についていくので必死だった(今でも)私にとっては驚きです。
この6年間の間にこの国で経験した事、学んだ事は、演奏家としての自分のみならず、ひとりの人間としてもはかり知れぬ ものが有り、底知れぬこの地のバックグラウンドの大きさと深さには、とても感謝しているのです。
私は、約5年にわたり、ブダペスト市の本当に端に位置するブダ側の地区に住んでいます。 この辺りは中心地の喧騒がウソのように静かで、私が昔から抱いていたこの国のイメージがそのまま残っています。 朝は集まって来る様々な鳥達の歌声で目が覚め、馬車の通る音で一瞬時間の感覚を忘れ耳を澄ます。恐ろしくなる程の静かな夜、そして果てしない夜空に広がる芸術的な星の大群。そんな贅沢な生活の中で音楽を勉強し、音を出し考える。これは私の音楽家としての非常に大切な、今後も忘れる事はないだろう、そして忘れてはならない宝です。

ところで数多く有るブダペストの見どころの中に、私がとても好きな王宮地区からの夜景が有ります。これまでたくさんの夜景を観て、それぞれとても美しかったのですが、私にとってこのブダペストの夜景は特別に美しいもので、皆さんにも是非見て頂こうと撮影してみました。
次回はヨーロッパでの演奏会での体験、感じた事等を書いてみようと思っています。又、遊びにいらして下さい。


夜景